鼻毛

お笑いコンテストの最終決勝にて大御所芸人の審査員の鼻毛が原因であわや芸能界をクビに…

僕はお笑いコンビ「猿回し機関銃」のツッコミ担当、吉岡。

まだまだ駆け出しの芸人で、一昨年お笑い養成所を卒業したが、まだ鳴かず飛ばずで売れない芸人の1人だ。

相方の田村は養成所時代に出会いコンビを組んだ。

同期の中では頭飛び出て面白いやつで、僕とお笑いのツボが同じでウマが合ったのだ。

ネタはベースとなる部分は僕が書いて最終的には2人で仕上げる。

ボケ担当の田村の演技力が僕たち猿回し機関銃の命綱だ。

2人ともイケメンってほどでもなく、かと言ってブサメンでもない特に特徴もない風貌なのでインパクトを持たせるために2人とも真っ青なスーツを着ている。

別に特注のスーツとかではなく、たまたまH&Mで見かけたド派手な真っ青なスーツを見たときに「これだっ!」って思って2人で即買いしたのだ。

上下のセットアップで6800円。

何なら予備ように2着買っても舞台衣装としては安い値段だ。

僕たちは未だにテレビ出演も再現VTRくらいしか経験がなく(先輩お笑いコンビの再現VTRだ)、事務所主催のライブでネタを披露するくらいなので収入がほとんどない。

食費は実はあまりかかっていない。

事務所の若手芸人たちが住まわせてもらってる寮があり、そこの食堂で3食食べられるのでとてもありがたい。

さらに家賃も破格の値段なので、そこそこ売れるまでは寮を出ない芸人が多い。

最近冠番組を持った先輩である「すっぴんピエロ」さんも未だに寮住まいだ。

すっぴんさんは僕たちをとても可愛がってくれて時々飲みに誘ってくれる。

もちろん全てすっぴんさんの奢りだ。

すっぴんさんにお笑いのいろはを学びながらも、仲の良い先輩後輩として付き合ってもらっている。

すっぴんさんは身近な自慢の先輩の1人だ。

芸風は僕たちとはちょっと違うので中々真似することは出来ないのだが、台詞の言い回しが独特でとても耳に残る。

それがお客さんに受けている理由の1つだ。

すっぴんさんは見た目から想像できないが高学歴の持ち主でハーバード大学を現役で卒業して芸人の道を選んだらしい。

だからこその知性のあるああいうネタができるのだ。

本当尊敬している。

すっぴんさんに今日もまた飲み屋に連れて行ってもらっていた。

今度僕たちがお笑いコンテストに出場するためにアドバイスをもらうためにお願いしたのだ。

ちなみにそのコンテストですっぴんさんは過去に優勝したことがある。

その成功体験を参考にさせていただこうと思ったのだ。

すっぴんさんはいつものガヤガヤとした居酒屋ではなく、奥まった個室のある落ち着いた居酒屋に連れてきてくれた。

ここなら真面目な話をじっくりと聞くことが出来る。

こういう店選びもセンスがでるよなぁと、とても参考になる。

すっぴんさんに当時の話を伺い、コンテストの傾向と対策を教えてもらった。

1番の収穫が、このコンテストは大御所の芸人さんである「館林いわし師匠」がメイン審査員なのだが、そのいわし師匠に気に入られると選ばれやすいというものだ。

ネタの勝敗は審査員たちが個人で点数を付けるのではなく、毎回審査員全員で話し合った上で勝敗を決めるトーナメント方式なのだ。

だから大御所のいわし師匠の意向が大きいらしい。

なるほどと思いつつ、すっぴんさんが教えてくれた最後の言葉が引っかかったが、僕たちはその時はその重要性に全く気がついていなかった…。

「とにかくいわし師匠は自分が喋っている最中に割り込まれるのを嫌うから気を付けろよ」

そしてお笑いコンテスト当日、悲劇が待っていた

このお笑いコンテストは毎年開催される人気のコンテストで、メルセデスベンツが主催している。

もちろん優勝すると賞金とは別にベンツが1台もらえるとあって、何百人、何千人といる芸人たちがみんな狙っているコンテストなのだ。

まずは予選から始まり、5組に連続で勝利すると本戦に出場できる。

僕たち猿回し機関銃は運良く予選を突破して本戦のテレビ番組出場権を手に入れた!

ここで爪痕を残せば、あわよくば優勝なんかしちゃったらこの後の芸人人生イージーモードだぞ…。

すっぴんさんに教えてもらったことを活かしつつ、僕たちの現時点での最高のネタで挑んだ。

…。

なんと奇跡的にどんどん勝ち進んでついに決勝戦に進出できた!

これだけで十分爪痕は残せたが、ここまでくるとやはり欲が出てくるよね。

優勝したい!

決勝のネタ見せ前に相方と最終ネタ合わせを念入りに行った。

ここで間違えたり台詞を噛んだら悔いが残る。

今できる最高のネタを全力でぶつけて負けるのならまだ良い。

僕たちは後悔のないよう念入りに舞台袖でネタ合わせをしていた。

すると、相方の田村の鼻の穴から鼻毛が出ていることに気がついた。

「おい!鼻毛がでとるぞ!」

僕は咄嗟にツッコミを入れた。

この瞬発力の高さが僕たちのネタの真骨頂だ。

田村は毎回ネタ中にアドリブを入れてくる。

本当に突拍子もないアドリブなので内心ヒヤヒヤするが、僕とお笑いのツボが合うため、高速でツッコミを入れることができる。

田村は鼻毛に全く気がついてなかったみたいで焦って愛用のポーチを漁っている。

取り出したのは鼻毛カッターだ。

こんな時のために田村は鼻毛カッターを常備しているのだ。

僕たち2人の間では鼻毛は最大の禁忌であるという共通の認識がある。

ましてはこのお笑いコンテストの最終決戦の場で鼻毛を出したままネタをするなんて考えただけでも身の毛がよだつ思いだ。

危なかった。

愛用の鼻毛カッターで田村が鼻毛の処理をしている。

コンテストの準備に忙しく月1回の鼻毛のお手入れを怠っていたのだ。

僕たちが鼻毛のお手入れが月1回で済む理由はコレ、鼻毛ワックス脱毛の「サボテンノーズワックス」だ。

一般的に鼻毛処理というと今、田村が使っている鼻毛カッターか鼻毛用ミニバサミでのカットをイメージする人が多いと思う。

緊急時にはそれでも良いがデメリットがある。

鼻毛カッターもミニバサミも鼻の穴の内側がうまく切れないのと短い毛が残ってしまうのでチクチクすることだ。

またどれだけ念入りにカットしても必ず見落としがあり、鼻毛がひょっこりはんするのだ。

だから僕たちはいつもサボテンノーズワックスを愛用している。

これはいわゆるブラジリアンワックスと同じで、ワックスが全体的に鼻毛を包み込み、一気に引き抜くことで確実にツルッツルに脱毛できるのだ。

使い方は超簡単。猿でもできる。

専用の容器にワックスの錠剤を入れて電子レンジでチン。

溶けたワックスを専用のスティックの先端に付けて冷めたところで両鼻に突っ込むだけ。

ワックスが冷めたら一気に引き抜く。

とても痛そうに見えるかもしれないが、ワックスが根元まで包み込んで固まっているので本当に一瞬だけの痛みで済む。

一本一本抜くのとは違い、面で抜くからか想像よりも痛みは少ない。

また、ホホバオイル、ミネラルオイルなどの保湿成分が肌荒れを防いでくれる効果もあるのでヒリヒリしたりはしないのも嬉しいところ。

最終決戦前に相方の鼻毛に気がついて処理できたことで僕たちの自信もついた。

決勝では最高のネタができた。

とても満足できる出来だった。

僕たち優勝できるんじゃね?

そんな思いで審査員たちの最終審査を待っていた。

決勝はそれまでとは違い、2組がネタを見せた後に審査員代表の大御所芸人いわし師匠からネタについて評価をもらえる。

それに対する受け答えも審査の内容の1つになっており、最後に最終審議が行われて優勝が決まる仕組みになっている。

僕たち猿回し機関銃の評価をいわし師匠が話し出した。

概ね高評価だった。

ネタの作り込みの深さ、田村の演技が褒められて僕たちは舞い上がっていた。

苦労したことが評価されて幸せ絶頂の時に、僕は気がついてしまったのだ。

いわし師匠の鼻の穴から鼻毛が出ている!

僕は高速ツッコミという特技を持ったことを後悔することになる。

「いわし師匠、良いこと言いながら鼻毛が出てますよ!」

やってしまった…。

頭で考えるより脊髄反射で突っ込んでしまった。

よりにもよってちょっとディスる感じになってしまった。

ここですっぴんさんの話が頭をよぎる。

「とにかくいわし師匠は自分が喋っている最中に割り込まれるのを嫌うから気を付けろよ」

なんてことだ。

最悪の場所で最悪のタイミングでやらかしてしまった。

真っ青なスーツを着込んだ僕たちは、スーツの色よりも真っ青な顔で立ち尽くしていた。

僕がいわし師匠にツッコミを入れてからの数秒が何時間にも感じた。

いわし師匠は話を遮られて僕たちとは対照に真っ赤な顔をして怒っている。

終わった…。

僕たちのお笑い人生はここまでか…。

短いお笑い人生だった…。

走馬灯のように今までサボテンノーズワックスを使って鼻毛のお手入れをした記憶が頭を駆け巡っていた。

サボテンノーズワックスは10回分で1800円なのだが送料が600円かかるので合計2400円になる。

でも「10回分セット」1800円と「リピートセット12回分」1400円を同時購入すると、3200円で送料が無料になるのだ!

1回分に換算すると約145円と超コスパが良いのでおすすめ。

鼻毛は永久脱毛しない限り、ずっと生えてくるものだ。

22回分を買っても必ず使い切れるので安心して欲しい。

どうせ買うならお得に購入するのが賢い買い方だ。

下記のリンクで詳しくレビューしているので是非あなたにも見てほしい。

地獄に救世主現る

いわし師匠の話を遮ってツッコミを入れてしまい、いわし師匠が顔を真っ赤にして、真っ青なスーツを着込んだ真っ青な顔の僕たち猿回し機関銃を怒鳴りつけようとした瞬間、声をあげたのは審査員の1人である、すっぴんピエロだった。

すっぴんさんはいつもの決め台詞のようなキレッキレの台詞で、いわし師匠をなだめてくれたのだ。

これには会場も大爆笑でいわし師匠も笑みが溢れている。

良かった。まだお笑いが続けられる。

僕たちは安堵のせいか2人して涙目になっている。

最終審査の結果、僕たちは決勝で敗退してしまったが、結果には満足している。

僕たちはここまでこれたのだ。

今後の長いお笑い人生に明るい光が差していた。

この窮地を救ってくれたすっぴんさんには頭が一生上がらないだろう。

僕たちはコンテスト後にすっぴんさんの楽屋にお礼に行ったが、すっぴんさんは全然気にするなと言ってくれて僕たちのネタを褒めてくれた。

やっぱりすっぴんさんはカッコいい。

僕たちは一生このすっぴんさんに付いていくぞと心に誓ったのだった。